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市内の水質や土壌の調査・分析の成果について報告

印刷用ページを表示する掲載日:2024年3月18日更新

3月15日(金曜日)・16日(土曜日) 市役所、飛騨市図書館

飛騨市が取り組みを始めた「地域産品 高付加価値化プロジェクト」の一環で行っている市内の水質や土壌の調査・分析の成果について、広く市民にも知ってもらおうと、「広葉樹が育む水の秘密に迫る」をテーマに、一般向けの分析結果報告会が市役所や飛騨市図書館で行われました。

飛騨市のお米や野菜は、各種コンクールで入賞を果たすなど、その美味しさは高く評価されています。こうした地域産品を育む要素として、その源となる飛騨市のきれいな水や豊かな土が重要な役割を果たしているのではないかと考察。学術的な調査・研究を行い、魅力ある地域産品と豊かな自然環境との関係性や、そのメカニズムを解明することで、地域産品の高付加価値化や、森林の新たな価値を見出し、さらなるブランド力の向上につなげようと令和3年度から同プロジェクトを開始しました。

令和5年度までの3カ年計画で、岐阜大学と共同して市内を流れる河川や水田などの水質調査、市内の森や圃場の土壌調査、採取したサンプルの成分分析などを行ってきたところです。今回は、こうした取り組みついて市民や、地元の子どもたちにも理解を深めてもらおうと、成果報告会を企画したものです。

15日には市役所で、同大学応用生物科学部の大西健夫教授が、市内で採取した水や土の分析から分かった結果や、古川盆地の地下水の水量などについての調査結果などを報告し、そこから得られる知見について紹介しました。

殿川や宮川を中心とした河川から採取した水を分析し、市内を流れる川の水に含まれるミネラル成分の量は全国平均と比較しても少ない傾向にあるとしつつも、ケイ酸に限っては全国平均と比べても濃度が高いと指摘。地下水が岩盤とふれている時間が長いこと、山に浸み込んだ水が滞留している時間が長いことが理由ではないかと考察しました。また、水に含まれるマグネシウムやカルシウム濃度を測定して殿川流域は「超軟水」だと報告。神通川第一ダムへの流入量も測定し、積雪などにより、全国と比較しても一年を通じて安定した水量が得られていることも説明しました。

また、古川町各地での土壌採取・調査の結果を示しながら、いずれにおいても黒ボク土の層が確認されると説明。土中に含まれる植物の微化石を調べることで、縄文人の火入れによって黒ボク土が形成されたのではないかと推察しました。黒内周辺は相対的に積雪が多い環境だったこと、上野周辺や上気多周辺は草原的な環境で何らかの落葉樹が分布していたことも推定されるとしました。

参加者からは、小水量発電の河川への影響などさまざまな質問が寄せられました。古川町在住で30歳代の団体職員の女性は「飛騨市の環境の特徴に興味があって参加してみました。土壌の成り立ちや、水質と土壌の関係などの基本的なことを知らなかったので、興味深く聞かせていただきました。広葉樹と水質との関係については、期待しているものではなかったですが、それも含めて面白かったです」と感想を話していました。

翌16日には飛騨市図書館で、大西教授によるミニ講座が開かれました。前日の報告会での説明を簡潔に紹介したり、子ども向けに「田んぼの水はどこから来てどこへ行くのかな?」と題してクイズ形式で講義。山に降った雨が水路を通じて田んぼにもたらされ、排水された水が川を通じて河口へ至る経緯を紹介しました。

参加した砂田蕗子さんは「普段は当たり前で気にしていなかったですが、飛騨市の水と土の話を聞いて、水が流れる仕組みや飛騨市の水や土の特徴が分かり、とても良い学びになりました」と感想を話しました。

報告会の様子(1)

報告会の様子

報告会の様子(2)

報告会の様子

報告会の様子(3)

報告会の様子

報告会の様子(4)

報告会の様子

ミニ講座

ミニ講座

ミニ講座の様子(1)

講座の様子

ミニ講座の様子(2)

講座の様子

ミニ講座の様子(3)

講座の様子