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飛騨ゆかりの版画家・舩坂芳助さんが自身の作品を解説

印刷用ページを表示する掲載日:2023年7月7日更新

7月1日(土曜日)市美術館

企画展「舩坂芳助版画展~ポップな色彩 反復する形 広がる色面」が8月20日まで、飛騨市美術館で開催されています。

舩坂氏は、シルクスクリーンや木版を駆使し、どこかユーモラスな雰囲気が漂う、明るい色彩の作品づくりが特徴です。イギリスやイタリアなどヨーロッパ各国やアメリカ、ロシア、ウクライナ、アジア各国など世界中で開催される国際美術展に広く出品し、1970年の第7回東京国際版画ビエンナーレ展では京都国立近代美術館賞を受賞するなど、長年にわたって活躍されています。幼少期を飛騨の地で過ごすなど飛騨にゆかりのある作家で、12年前にも舩坂氏の作品展を飛騨市で開催しました。今回で2回目の作品展となります。

今回は、美濃加茂市民ミュージアム所蔵の版画53点に加え、同氏が近年手がけている「origami」シリーズ300種類のうち95点が同館壁面に幅21メートルにわたって配置され、そのダイナミックに構成された展示が主な見どころだそうです。

初日には舩坂氏によるギャラリートークが行われ、レモンをモチーフに作品づくりを行うようになったきっかけを紹介したほか、主な作品について制作手法や素材にも触れながら解説しました。

「origami」シリーズについては、縦40センチ×幅10センチほどの和紙を実際に折って下絵としていることや、折り紙の印象を大事にするため、和紙の大きさを決めるのに時間がかかったことなど創作の裏話にも触れました。「日本人は小さいころは折り紙をやったと思うけれど、大人になると忘れてしまいがち。しかし、欧米には折り紙文化はないので国外に目を向ければ面白い造形でしょう。その素晴らしさを子どもから大人まで改めて知ってほしい」などと話していました。

また、「origami」シリーズの作品に丸い点を配置した理由について問われると、「東日本大震災での原発事故を忘れない」という意図があると説明。「誇張するつもりはないですが、こうしたことが起こったという時代性を作品に与えることで、記憶に残したいと考えました。原発事故はまだ終わっていないけれども、記録しておかないと忘れ去られてしまう。心配がなくなったら、その時は消そうと思います」と話していました。

他に、自身が使っているバレンや墨などの道具についても解説し、その特徴や作り方も詳しく紹介。来場者は熱心に聞き入っていました。

飛騨市での1回目の作品展も鑑賞したという高山市の松見ひろ子さんは「抽象的な作品はとても難しそうという印象を持っていましたが、舩坂先生の制作過程を聞いて身近に感じられました」「私も版画を制作していますが、子どものころからの経験でどうしても版画は墨一色という印象がありました。先生の作品を見ると楽しくなり、版画も色や形を自由に楽しめばいいんだと思いました」と話していました。

 

作家・舩坂芳助氏と作品

作家の舩坂芳助氏

 

会場の様子(1)

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会場の様子(2)

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会場の様子(3)

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会場の様子(4)

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会場の様子(5)

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会場の様子(6)

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会場の様子(7)

会場の様子(7)

 

会場の様子(8)

会場の様子(8)