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「ダイバーシティのまちづくり」に向けて講演会を開催しました

印刷用ページを表示する掲載日:2023年7月31日更新

7月21日(金曜日) 古川町公民館

「“誰も排除されない”ダイバーシティのまちをめざして」と題した講演会が行われました。

飛騨市は、性別や年齢、障がいの有無、国籍、宗教、価値観など、さまざまな違いを持った人々が地域の中で共存し、互いを認め合い、誰もが自分らしく生きられるダイバーシティのまちを目指しています。今年度、新規事業として「ダイバーシティのまちづくり推進」を進めており、今回は市民向けの最初の取り組みとなりました。

この日は、企業や自治体のダイバーシティ戦略や多様性の配慮に関する施策立案などに携わっている一般財団法人ダイバーシティ研究所の田村太郎代表理事から、ダイバーシティの定義や考え方、具体例や取り組み方などについてうかがいました。

田村さんは、「『ダイバーシティ』は『多様性』と訳されがちですが、単に多様な状態を示す『バラエティ』とは違う」と指摘。(1)さまざまな違いを受け入れること、(2)互いに対等な関係を築こうとしていること、(3)全体として調和が取れていることなどの条件を満たす組織や地域をめざす取り組みがダイバーシティであると説明しました。そのうえで、年令や性別、国籍など分かりやすい違いだけでなく、表面からは見えづらい価値観や性的指向、識字力、経済状況などにも配慮し、あらゆる人を排除しない組織や地域をめざすことが重要だと強調しました。

阪神・淡路大震災での仮設住宅での死因別・年代別孤独死の状況を調べたデータなどを示しながら、性別や年齢によっても死因に差があることなどを紹介。「50代の男性は不摂生などで肝疾患が多い。また、よく行われがちな歌の集まりなどには参加しづらく孤立しがちで、かなり日が経ってから死亡が確認される場合が多い」「80代の女性はトイレを我慢し、あまり動かない暮らしが続きがちで心血管疾患が多い。社会参加には前向きなので、2~3日で発見される場合が多い」など、その人の属性によって必要とされる配慮が違うと説明。属性の違いに応じた働きかけが必要だと呼びかけました。

また、少子高齢化や人口減少、人手不足など日本を取り巻く現状を踏まえ、抑圧されがちな女性や高齢者、外国人、障がいのある人などが感じている社会参加への障壁を無くし、あらゆる人が社会で活躍できるようにならなければ、人手を必要とする産業は成り立たなくなるだろうと予測。「さまざまなルールを決める権利をもち、有利な条件にある支配層」であるマジョリティ(多数者)の側が、不利な条件にあるマイノリティ(少数者)の状況を積極的に把握し、配慮して取り組みを進め、ダイバーシティのまちをめざすことは、結果的に組織や地域の持続可能性にもつながると指摘しました。取り組みを検討する際には、配慮を必要とする人々にも議論に参加してもらい、率直に意見を述べてもらうことが大切だとアドバイスしました。

河合町の西原貴子さんは「ダイバーシティという言葉は聞いたことはありますが、具体的なことや問題点などを知らず、市の取り組みなども知りたいと思い、参加しました」「今、心身の健康をめざすリラックスが目的の体験農業や園芸療法を行う準備を進めていますが、ダイバーシティの考え方とリンクしているように思いました」などと話していました。

市では今後、「ダイバーシティ宣言(仮)」を目指し、ダイバーシティ推進委員(仮称)を中心とした勉強会を月1回ほどのペースで開催していく予定です。

 

講演会の様子(1)

講演会の様子(1)

 

講演会の様子(2)

講演会の様子(2)

 

講演会の様子(3)

講演会の様子(3)

 

講演会の様子(4)

講演会の様子(4)

 

講演会の様子(5)

講演会の様子⑥