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「生態系サービス」などについて専門家から学びました

印刷用ページを表示する掲載日:2022年7月5日更新

7月5日(火曜日)市役所

 

今年第1回目となる「飛騨市・広葉樹のまちづくりセミナー2022」が開かれました。

広葉樹のまちづくりを進めている飛騨市は、広葉樹の森がもつさまざまな価値や可能性について学ぶ同セミナーを開催しています。今回は、京都大学フィールド科学教育研究センターの徳地直子教授を招き、「森林施業が森林生態系に与える影響~物質循環から森林を考える~」のテーマで講義が行われました。

徳地教授は、生態系がその機能を通じて人間社会に利益をもたらしてくれる「生態系サービス」について解説。人間は、有機物の分解や光合成、保水機能、食料の供給などの他、木材の供給や野外レクリエーションの場の提供、科学的・教育的価値の提供など、生態系から多くのサービスを享受していると説明しました。

一方で、1つのサービスが提供されることで、別のサービスが損なわれるとも強調しました。人間の活動が自然環境に与える負荷や、森林施業を行うことで生じるメリットとデメリットのバランスなどを考慮する必要があると指摘。自身の研究データや世界各国でまとめられた論文などを紹介し、自然資源の再生産や廃棄物の浄化などの面からも研究や取り組みを行っていくことが重要だと指摘しました。

飛騨には、すでに森を使った地場産業があるとしながら、「今後は小径木でも希少価値が増していくので、ゾーニングを進めて、利用する森と保全する森を明確にする」「土砂崩れの起きそうな場所は森林としておくことも有効」などとする「徳地私案」を提言。また「皆さん、それぞれがいろんな立場から話し合い、方向性を考えていくと良いのでは」と呼びかけました。

会場には、林業関係者や一般市民など約40人が参加し、メモをとったりしながら熱心に耳を傾けていました。

「株式会社飛騨の森でクマは踊る」の職員の松山由樹さんは「いろんな研究者のデータを引用しながらも、興味や関心を絞ってデータを示されていました。(同じデータからでも)別の動物の目線とか、違う元素の流れを追えば、違う結論が出る。そういうスタンスで研究をしていることが分かりました。市にとって必要となるデータもあるかもしれないので、そこを見極めながら、必要なデータや解釈と向き合って進んでいくと良いのでは」などと感想を話していました。

 

まちづくりセミナーの様子(1)

まちづくりセミナーの様子(1)

 

まちづくりセミナーの様子(2)

まちづくりセミナーの様子(2)

 

まちづくりセミナーの様子(3)

まちづくりセミナーの様子(3)

 

まちづくりセミナーの様子(4)

まちづくりセミナーの様子(4)

 

まちづくりセミナーの様子(5)

まちづくりセミナーの様子(5)