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宇宙物理学の第一線で活躍する大橋教授の講義を聴きました

印刷用ページを表示する掲載日:2022年8月1日更新

7月31日(日曜日)飛騨市文化交流センター

 

飛騨市民カレッジの今年度第2回目のアカデミック講座として、東京大学宇宙線研究所の大橋正健教授を講師に招き、「重力波望遠鏡KAGRAが解き明かす ブラックホールの秘密」の演題で講座が開かれました。この日は38人が会場を訪れ、メモを取ったりしながら熱心に大橋教授の講義に耳を傾けました。

飛騨市民カレッジでは生涯学習の一環として、同講座をはじめ公民館講座や自主講座、60歳以上を対象にしたシニア学部の4つの講座があり、それぞれ多種多様な学びを行っています。自分の興味に合わせて好きな講座に参加でき、1講座に出席することで「1単位」を取得。規定の単位が貯まると「学士」、単位に加えてレポートや面談をこなすと「修士」や「博士」などの学位を取得できる仕組みになっています。

今回実施されたアカデミック講座は、普段はなかなか出会うことのできない、第一線で活躍している講師を招き、それぞれの専門分野について分かりやすく説明していただいたり、質疑応答などを通じて学びを深めるものです。

大橋教授は、ニュートンの重力理論が非常に成功した理論で、地上や天体における当時の問題をほとんど説明したものであったことや、これによって説明しきれなかった「水星の近日点移動」という問題を、一般相対性理論が説明したと紹介。カーナビや携帯電話などに利用されるGPS(人工衛星を利用して現在位置を測定するシステム)などにも生かされており、「私たちは、日々の暮らしの中で、この理論の恩恵を受けている」と話しました。

また、ある一定の速度で物を投げると重力の影響で、地球の周りをグルグルと回り続けたり、その速度を超えると地球を離れて飛んでいってしまう「地球脱出速度」などについて説明。そして光の速度で投げても「脱出」できないのが、ブラックホールだとし、撮影されたブラックホールの写真、想像図などをスライドで紹介しました。

一般相対性理論が予言する重力波についてや、その特徴や研究の成果なども説明。さまざまな研究者が証明や観測に取り組んできたとし、「1日も早く、KAGRAで重力波を観測したい」などと思いを語りました。

聴衆が互いに感想を話し合ったり、質疑応答の時間もあり、会場からは「海外の望遠鏡は地上に造られていますが、KAGRAはなぜ、地下に造られたのですか」「『時空』とは何ですか」「重力波は人間に影響を与えますか」など熱心に質問が寄せられました。

大橋教授は、一つひとつの質問にていねいに回答。また、質問に答える形で、広くて真空状態である宇宙空間の特性を生かし、1本の「腕」が250万キロにも達する巨大なL字型の「望遠鏡」を宇宙に設ける計画が進んでいる現状なども紹介しました。

高山市国府町から参加した小林幸子さんは「ブラックホールに興味がありました。ブラックホールは、SF映画だと怖いように描かれがちですが、宇宙の成り立ちにも深く関係しているのかなあ、と思いました」などと感想を話していました。

 

講座の様子(1)

 講座の様子

講座の様子(2)

講座の様子

講座の様子(3)

講座の様子

講座の様子(4)

講座の様子

講座の様子(5)

講座の様子

講座の様子(6)

講座の様子

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講座の様子

講座の様子(8)

講座の様子

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講座の様子

講座の様子(10)

講座の様子