6月18日(土曜日)宮川町種蔵地区
6月の飛騨市公民館講座の一つ、「里山歩き―棚田と板倉の里 種蔵集落」が宮川町種蔵地区で行われました。
公民館講座は、生活に密着した身近な物事をテーマに、生涯学習の一環として市民の皆さんに幅広く学んでいただくもの。今回は、石積みの棚田と昔ながらの板倉が点在する宮川町種蔵地区の集落をガイドの案内で散策しながら、普段はなかなか味わうことのできない魅力を味わい、地域の宝を掘り起こそうという催しでした。
今回は、市内在住の50代から60代の8人が参加。飛騨の森ガイド協会の岩佐勝美会長の案内で集落や里山を歩きました。地元産のソバの実を搗いて粉にする小屋「搗き屋」や、収穫物や大事な物を収蔵しておく板倉、石積みの棚田などを見学。また、「小高い丘の上になぜ水田があって、どうやって水が引かれているの?」「家の数より板倉の数の方が多いのはなぜ?」「石積みの中に、出っ張った石があるのはどうして?」など7つの「謎」についての解説を聞きながら、ゆったりとしたペースで歩きました。
それぞれの板倉の鍵には「巾着」などの模様があしらってあり、板倉ごとに違いがあること、少しでも耕地面積を多くするために石積みの棚田が造られたこと、スズメなど人と共生してきた生き物は里地に人が住まなくなると彼らも姿を消してしまうことなども学びました。参加者は、岩佐さんの話に耳を傾けたり、絶景ポイントで撮影をしたりして散策を楽しみました。
参加した神岡町の徳井由起子さんは「市に住んでいますが、棚田のことをあまり知らなかったので、今日は楽しかったです。昔のことを聞けて、皆さんの思いにふれられて勉強になりました。ガイドさんの話も上手で聞きやすかったです」と笑顔で話していました。
岩佐さんは「知っているようで知らない面白いことがたくさんあるので、講座を通じて身近な里山の魅力を感じてもらえたら」「貴重な里山を守って未来へつなげられるようなきっかけになれば」と話していました。